逆流性食道炎
胃酸が食道に逆流して炎症を起こす病気です。主な症状は、胸やけ・むかつき・胸の痛み・咳・喉の違和感・声のかすれ・喉の詰まり感・睡眠障害など多岐にわたります。原因としては、加齢や肥満、食道や胃の蠕動(ぜんどう)運動の低下などが挙げられます。治療は、胃酸の分泌を抑える薬の服用や、肥満・食生活などの生活習慣の改善が中心となります。
食道がん
食道の内側を覆う粘膜の表面に発生する悪性腫瘍です。初期は自覚症状が少なく、進行すると食べ物がつかえる感じ、胸の痛み、咳、嗄声(声のかすれ)、体重減少などが現れます。 がんは食道のどの部位にも発生する可能性があり、複数箇所に同時にできることもあります。早期発見には、内視鏡検査が非常に重要です。
胃がん
胃がんの発症には、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の持続感染、喫煙、高塩分・低繊維質の食事などが関係するとされています。中でもピロリ菌感染は、日本人の中高年層で特に多く、最も重要なリスク要因と考えられています。 初期症状はほとんどなく、進行するとみぞおちの痛みや不快感、胸やけ、食欲低下、体重減少、吐血や黒色便などの症状がみられます。早期発見・治療のためには定期的な胃カメラ検査が推奨されます。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍は、主にピロリ菌感染や鎮痛薬(NSAIDs)の過剰使用、強いストレスなどが原因で起こり、代表的な症状は食後の胃痛です。放置すると出血や穿孔(胃に穴があく)を起こすことがあり、早期治療が重要です。また、胃潰瘍と胃がんは症状や内視鏡所見が似ているため、生検による鑑別が必要となります。ピロリ菌が検出された場合は、除菌治療を行うことで再発予防が可能です。十二指腸潰瘍は主にピロリ菌感染によって起こり、食前に腹痛を感じることが多いのが特徴です。若年層にも発症しやすく、胃潰瘍と同様に除菌による再発防止が有効です。
慢性胃炎
長期間にわたり胃の粘膜に炎症が続く状態です。主な原因はピロリ菌感染のほか、ストレスや暴飲暴食、アルコール摂取、鎮痛薬の長期使用などがあります。 症状としては、胃もたれ・胃痛・食欲低下などがありますが、自覚症状がないことも少なくありません。ピロリ菌感染を伴う慢性胃炎は、胃がんのリスクが高まるため、早めの除菌治療が推奨されます。
ピロリ菌感染
強い酸性環境の胃内でも生存できるピロリ菌は、慢性的な胃の炎症を引き起こし、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃がんなどの原因になることがわかっています。 検査には、内視鏡での生検法、呼気検査、血液検査、便中抗原検査などがあります。胃カメラでピロリ菌感染が疑われた場合、保険適用で検査を受けることができます。
ピロリ菌について
ピロリ菌は、胃の粘液に住みつく細菌で、感染したまま放置しておくと、胃の炎症が起こり、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの病気のリスクが高まります。ピロリ菌のはっきりとした感染経路はわかっていませんが、だいたいは食べ物か飲み物によって口から体内に入るとされています。ピロリ菌を除菌することにより胃がんの予防や感染症の防止が期待されているので、ピロリ菌に感染している場合、除菌治療が推奨されています。ピロリ菌の検査や除菌の治療を受けてみたかったが、あまり機会がなかったという方はぜひご受診ください。
ピロリ菌検査の
健康保険適応となる方
- 1胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療を受けているか治療経験のある方
- 2胃MALTリンパ腫と診断された方
- 3特発性血小板減少性紫斑病の方
- 4早期胃癌に対する内視鏡治療後の方 (保険適応で、すでに消化器内科を受診されている方)
- 5内視鏡検査において胃炎と診断された方
アニサキス
イカやサバなどの魚介類に寄生するアニサキス(寄生虫)による感染症です。感染すると、胃の粘膜に虫体が潜り込み、激しい腹痛や嘔吐を引き起こします。 アニサキスは冷凍や加熱で死滅するため、調理法に注意することが予防につながります。生魚を食べた直後に強い胃痛が起こった場合は、内視鏡で虫体を除去することで症状が劇的に改善します。
機能性ディスペプシア
胃の不快感や痛みなど慢性的な上腹部症状があるにもかかわらず、内視鏡検査で明らかな病変(胃炎・潰瘍・がんなど)が見つからない状態を指します。 診断には胃カメラ検査で器質的疾患がないことを確認する必要があります。原因はストレスや自律神経の乱れ、胃の運動機能の低下などが考えられます。適切な診断と治療により、多くの場合は症状の改善が期待できます。